武術的教えの実践DAYS その62

なぜだか少年H

 

日本人はすぐ忘れる民族だからとよく言われるが、自分はその中でもずば抜けていると思っている。

 

日常におけるトランプの神経衰弱の能力が必要とされる場面において、得意先の在庫だの、何だの、あえて観察していないけど なんとなく思い出せてしまえたら、便利な事柄も残念ながら全く思い出せない。

 

そんな深刻な話でなくとも、仮面ライダー北斗の拳、スポーツの「あのシーンが」と盛り上がっている会話にも、ただただ頷くばかりでどうにも積極的になれず、残念である。

この作品゛少年H゛も同様で、細部のエピソードについての記憶たるや惨憺たるものであったが、肇少年の述懐する戦中と戦後における大人たち、社会の゛コロッと゛変わり様とそれらを冷静に観察している少年の視点と自分への自信は衝撃的だった。

 

以来、「もし戦争中なら、他人のことを非国民と言って蔑む人かどうか?」は良い人かどうか?を判断する材料となったほどである。

 

そう考えると、会社や組織において上に立っている人ほどこの手合が多く、そして、自分がいかにルールや目標を守っているかを恥ずかしげもなく、アピールして憚りがないのが見ていてしんどいから、一生出世には縁がない僕はそうしないことを正当化するための後ろ盾としている。そんな僕は間違いなく、゛使いにくい人間゛だと思う。

 

それらを自覚した上でさらに言わせていただくなら、こうしてのしあがった゛アピール上手゛さんたちは上に行けば行くほど、権力、権限を手にし、たちが悪くなる。

 

そう考えると、まだ戦争は終わっておらず、むしろ今が当たり前なのかも知れぬ。そうして、こんな大人たちを冷静に観察する今の子どもたちの意見を聞きたいような、聞きたくないような何とも言えない心持ちである。

 

一つ言えるのは沖縄は他人事ではないということだと思う。